絶滅危惧種

どうやら、オーディオ業界から「音を録音する据え置き型の機械」は絶滅しつつあるようだ。なんてこった!

カセットテープデッキの高級品が生産されなくなってからもう何年経つだろう。MDデッキの高級品も生産されなくなったようだ。そして、DATのデッキも生産されていない。どれもこれも今生きているものがなくなったら終わり。

では、SDカードに録音できる高級品は?そんなものはない。HDDに録音できるものもYamahaの1機種だけだろう(あるにはあるが、高級品とは呼べないな)。

ここで言っている高級品は、値段だけではない。音楽を録音/再生するのにふさわしい設計がされていることがなにより重要だ。ICレコーダーではちょっと物足りない。

なぜ録音機が絶滅しそうなのか?言うまでもなく録音する機会が減っているからだろう。録音するといえば、レコードやCDを録音するか、ラジオ(FM放送かデジタルラジオ)を録音するかのどちらかだ。CDはコンピュータを使えば簡単に複製も取り込みも携帯プレーヤーへの転送もできるから、わざわざMDやテープに録音する必要はない。ラジオだって、録音して残しておきたいような番組は悲しいけど減少した。

最近私のシステムでようやくカセットテープもMDもDATもまともに再生/録音できる環境が整った。まさかカセットテープに録音することはほとんどないだろうが、それでも再生することはまだあるかもしれない。少ないとはいえ、FMの録音はそこそこやっている。

これに比べて、ビデオレコーダーは順調に新機種が開発されている。どうやらBlu-Rayに落ち着きそうな雰囲気だ。テレビ番組には録画したいものが多いと言うことだろうか?

どうかラジオ番組の制作者の皆様、その場限りの番組ではなく数年後に聴いても輝いている番組を作ってほしいなと願っている。