17世紀半ば、教会の庭でリコーダーを吹いてみんなに聞かせている人がいたらしい。名前をエイクと言う。当時はやっていた歌を自分でアレンジして演奏していたのだろう。彼は
カリヨン
も演奏していたらしい。
そして、彼の即興演奏を楽譜にした人がいるのだ。150曲を超える全集『笛の楽園』がそれだ。そして、これを全部演奏してCDを作ってしまったのがスウェーデンのリコーダー演奏家のラウリンだ。親しみやすいメロディーと、それに続く多様な変奏。リコーダー1本で(ごくいくつかはデュエットになっている)演奏されるこれらの曲は、素朴であるが新鮮で楽しい曲ばかりだ。彼の演奏技術が高いことは言うまでもない。
私が始めてこの曲集の中の曲を聴いたのは、もう20年以上前のこと。デンマークの女性リコーダー演奏家のペトリのデビューアルバムに入っていたものだ、もちろんレコード。彼女らしい美しい演奏だった。その後、ドイツの演奏家クナイスのレコードで、「涙のパヴァーヌ」を聞いた。「笛の楽園」というタイトルを観るとついつい買ってしまうようになったのはたぶん高校生のころから。
下に上げているものはどれもおもしろい。最後のものにはリコーダーだけでなくカリヨンの演奏も入っていて、なんとも味わい深い。えっ?アントネッロのものがないって?まだ買ってないんだよね。花岡さんの演奏は落ち着きがあってこれもすてきだ。