なんのためにメーターはあるの?
はい、音の大きさを視覚的に把握するためにメーターというものは昔から存在する。私が最初に親しんだ1970年代前半のラジカセにだってマイクで録音した音声の大きさを示すためのメーターは付いていた。中学生になって使っていたカセットデッキにも、その後自分の金で手に入れたカセットデッキにもメーターは搭載されていた。が、私はメーターを気にして録音したことはない。特にアナログテープ時代はノイズとの戦いだったから、ちょっとでも大きい音で録音しておきたい。大きくしすぎると歪むんだけど、耳で聴いて分かんなきゃ問題なし。ってことで、録音レベルはギリギリまで上げる。メーター見ればレッドゾーンにまあまあ入っている。テープの特性でどのくらい上げられるかは変化するので、そのへんも加味しながらトライする。
で、ライブ録音ともなると難易度は一気に高くなる。グラデーションはあるにしてもリハーサル中にこの歪むポイントを探しながらどの程度大きな音が出そうかを予想する。ニュートラルな演奏を録音しながらわざと歪ませて、そこからどの程度レベルを下げればよいかを考える。使い慣れた録音機でないと、どの程度つまみを回すとどの程度レベルが下がるかがわからない、まあ、ある程度予想するけど。
さて、デジタル時代になっても私は基本的にこの方法を使ってレベルを決める。が、この歪むポイントを探すのが難しくなったと感じる。まあ、聴いて分かんなきゃいいんだよっても思うけれど、ピークで数dBオーバーしてることはざらにある。いいけど気持ち悪い。
で、視覚的にメーターを確認できない人たちが確実にレベルオーバーせずに録音できる方法をいくつか考えてみた。
そもそもレベルオーバーしない録音機を使う
どうだ、これで完璧だ。例えば、ZOOM社のF3なんてどうだ。私もほしい。 これ、現在在庫がどこにもない。
そもそもこのレコーダーには録音レベルを調整するという概念がない。これならどんな状況ででも歪まない。
パソコンで録音する
次に現実的なのはパソコンで録音することだ。スクリーンリーダーの対応状況にもよるが、画面に表示されたピークメーターを確認することができるかもしれない。私はMacを使っているが、Pro ToolsやAmadeus Proは録音チューにVoiceOverを使ってピークメーターを読むことができる。Pro Toolsならば、メーターを監視して音で状況を知らせてくれるプラグインを入れておけばリアルタイムで確認できる。
SONY D10とスマートフォンアプリを使う
敷居が低いのはこれかもしれない。D10にはスマートフォンのアプリをリモコンにできる機能がある。録音にかかわる設定も行うことができるので、いろんな意味で気楽である。Androidならば、本体背面のNFCタグを読み取ることで接続できるが、iOSの場合は、D10本体のBlueTooth設定を行ってからiPHoneとペアリングする。
録音中にスマートフォン側に表示されたメーターを確認することができるので、レベルの調整には役に立つ。
おそらくD100も大丈夫じゃないかな?レポートほしいなあ。
最後に
その昔、FostexがFR2っていう肩掛けのレコーダーを出していた。これには、クリップするとヘッドフォンに短いビープ音が出力されるという機能があった。メーターなんか野外では見えないよ!っていう現場の要求から出てきた機能だと思う。とても便利だった。
SONY D10には、操作するとビープ音が出る機能がある。録音中に出せるのかはわからないが、ひょっとしたらファームウェアのプログラミングで実現できるのかもしれない。案外現場も喜ぶかもしれないし、メーターが視覚的に確認できない人たちにとってはかなり使いやすいレコーダーになるだろう。
F3ほしいけれど今のところ在庫がない。ってことで、お外での録音はD10とスマフォアプリで頑張ってみよう。