それでは、基本的なコントロール方法について解説していこう。まだ録音方法については触れていないので、ここで再生してもただただカウンターが進むだけで楽しくない。ということで簡単なサンプルセッションを作ってみたので、ダウンロードして遊んでいただければと思う。
サンプルセッション
下記リンクからどうぞ。
適当な場所にダウンロードしたファイルを展開する。1st_stepというフォルダができるだろう。この中の1st_step.ptxがセッションファイル。Finderからこれを開いてもよいし、ProToolsのメニューバーから「ファイル」→「セッションを開く」を実行してもよい。セッションを開いたときにI/O関連の警告が出るかもしれない。これは私が使っているオーディオインターフェースとみなさんが使っているオーディオインターフェースとで入出力のチャンネル数が違っているから起きる問題である。詳細なレポートを保存するか?と聞いてきているので”NO”を選択してセッションを開く。
ちゃんとセッションが開けると、五つのトラックができる。Artist Mixを確認すると左から五つのフェーダーが真ん中付近にあるだろう。一番左がクリック音、その次がシグナル・ジェネレータ、次の三つがピアノ・ヴァイオリン・クラリネット。
再生・停止
Pro Toolsのショートカットキーはテンキーを多用する。テンキーがないとできないこともあるしそもそも不便である。必ずテンキーの付いたキーボードを用意してほしい。
さて、セッションが開けたらとりあえず再生してみよう。テンキーの0を押すと再生される。おなじみの歌が聞こえてきただろうか。曲が終わってもそのまま再生は続く。クリックが鳴っているだろう。停止はもう一度テンキーの0を押す。
初期設定では続いてもう一度再生をすると頭から歌が再生されるだろう。これは、停止した位置から再生するのではなく、直前に再生を開始した位置から再生を始めるようになっているからだ。こうなっていないと実に不便なのだ。
よく使いそうなテンキーのコマンドをまとめてみよう。
- 再生: テンキーの0
- 停止: テンキーの0
- 巻き戻し: テンキーの1(停止中は1回押すと1小節、再生中は押している間)
- 早送り: テンキーの2(停止中は1回押すと1小節、再生中は押している間)
- 最初に戻る: リターンキー
- 最後に移動: Option + リターンキー
- 指定した小節に移動: テンキーのイコールを押して、小節番号を入力。続いてリターンキー
- クリックのオン・オフ: テンキーの7
- 半分の速度で再生: Shift+Space
うまく再生できただろうか。小節移動などはできただろうか。これらの機能はとてもよく使う。画面を見ながら適当に移動できないので、作っている曲が何小節くらいあってどういう構成になっているかをなんとなく覚えておくことは、作業効率的に重要だ。後述するマーク機能と併せて、移動したいところにすぐに移動できるようになると良いだろう。