コンピュータ環境について
Pro ToolsにはMac版とWindows版が存在する。一般的には、スクリーンリーダーで何らかのソフトを使いたいのであればWindowsを選択するのが良いが(議論はしないことにしよう)、残念なことにWindows版Pro Toolsは、ほとんど操作できない。Windowsにある一般的なショートカットキーが存在しないので、キーボードでの操作はほとんどできない。これまでと違ったアプローチをするスクリーンリーダーがあれば状況は違うかもしれないけれど。 一方Mac版のPro ToolsはMac OSに付属しているVoiceOverである程度使える。基本操作を含めて、できる機能はかなりある。現状Pro Toolsを使いたければMac版を使うことになる。 コンピュータはとりあえずこんな感じ。
- コンピュータ: iMac 27-inch Mid 2020
- プロセッサ Intel(R) Core(TM) i9-10910 CPU @ 3.60GHz
- メモリー: 64GB
- OS: macOS 11 Big Sur
コンピュータ以外の環境
とりあえず私が使っているコンピュータ以外の環境を列挙しておく。もっと良い組み合わせがあるのかもしれないが、ほかのハードウェアについては経済的理由で試していない。
- Pro Tools 2022.4
- Flo Tools and Keyboard Maestro
- オーディオ・MIDIインターフェース: Solid State Logic: SSL 2+
- MIDIキーボード: Native Instrument M32
- デジタルピアノ: KAWAI CA-97
- その他: フットスイッチ一つ、アンラッチ(要するに押したままで固定されない)タイプのもの
- Artist Mix(売却しちゃったけど)
Pro Toolsは特別な理由がない限り最新版が、アクセシビリティ的には良い。継続的に改良が加えられているからだ。
以下の説明では、特に断らない限り上記最新の組み合わせで動作確認を行い記述している(これから書くので、追いついていないところもあるけど(。
コントロール・サーフェスについて少し書いておこう。こいつは、ちょうどミキサーのようにフェーダーとつまみといくつかのスイッチがセットになったものが8セット並んでいるものだ。これをつかって、マウス操作する代わりに物理的操作でPro Toolsをコントロールしようというものだ。このArtist Mixというものは、ミキサーのコントロール以外にもたくさんの機能がある。VoiceOverでは操作できないけれど、このサーフェスからなら操作できる機能がかなりある。10万円を超える製品だが、現状マウスを使わない場合、ほとんど必須のものだ。
ちなみに、フェーダー一つという製品もあるが、これでArtist Mixと同じ事ができるかどうかは試していない。1万円は超えるので、ちょっと買って試してみようという気はしなかった。
現在AVID純正のコントロールサーフェスは、S1という製品が、現実的に買えそうな値段である。S3とかS6とかは、まあ、スタジオでお目にかかることがあるかもな?というものだ。アマチュアが出入りできそうなスタジオにはないかもねえ。
Flo Toolsについて
Pro Toolsのアクセシビリティを劇的に改善するキーボードマクロ集(認識合ってるかな)がある。入れておくと作業効率が100倍くらい(大げさだね、気持ち的にはそんな感じ)アップするので、頑張ってインストールするのがよい。が、このFlo Toolsを使うためには、下記条件を満たす必要がおそらくある。
- コンピュータのキーボードはUS Englishであること(物理的にUSキーボードでなくても良い)
- Pro Toolsの表示言語を英語にしておくこと
プラグインソフトについて
Pro Toolsに限らず、いろいろな機能を組み込んで使用する部品とでもいうようなものを、プラグインと言う。たとえば音を加工するエフェクターや、コンピュータ内に組み込むシンセサイザーがそうだ。Pro Toolsにはある程度のプラグインが同梱されているが、他にもほしくなってくることだろう。
残念ながら、これらプラグインはVoiceOverで操作できるかは試してみなければわからない、というのが現状だ。先ほど触れたコントロール・サーフェスでかなり操作できるものもあるが、どうにもならないものもある。店頭で試してみるにしても、ライセンスの関係やらでかなり難しい。そのうちメーカーに交渉してみるかも。
なお、Native Instrumentの音源はNKSというシステム対応になっている。また、他のメーカーからもNKS対応の音源がリリースされている。このシステムは、Native Instrument社(以下NIと書く)のキーボードと一緒に使うとアクセシビリティ機能というのが使える。この機能を使うことで、音源の幅はかなり広げられる。
私が動作を確認したプラグインは下記である。
Pro Tools 2021
- Komplete Kontrol: NKSシステムの中核?キーボードと一緒に使う
- Waves Horizon: どこまで使えてるか不明だが、操作できるよ
- Antares Audio Auto Tune Pro: MIDIガイドトラックを作れば使える
- Avid Virtual Instruments(いろいろソフトウェア音源のセット): Structure以外なら操作できる
- Hybrid(シンセサイザー): 操作可能
- Velvet(エレピ、ローズ): 操作可能
- Transfuser(ループ・フレーズがたくさん): 操作できそう、自分では使わない種類の音なので、詳細は不明
- Strike(ドラムサンプラー): バージョンアップしてプリセットがなくなった、古いプリセットを使えば操作できる。
- Structure(サンプラー): たぶん操作できない、音色が選べない
- PIANOTEQ(ピアノ音源): VoiceOver対応してる、プラグインの上になんとかマウスが持っていければ、その後はVOで読み上げできる、ショートカットキーもあるので、音は選べる。
プラグインウィンドーの中でVoiceOverでは操作できないものがあると、その部分はどうにもならない。音色を選んだりする重要なコントロールだとそのプラグインはVoiceOverと一緒には使えない。Pro Toolsのプリセット機能を使って作ったプリセットを選ぶことで音色を切り替えることができるならば、なんとかプリセットを作ればよいだろう。
また、前述のFlo Toolsを使って操作できるプラグインもあるようだが、こっちはまだ試せていない。